今日のお話は「まいにち哲学」。
これです。
原田まりるさんの著書「まいにち哲学」です。
1ページずつ日付が書いてあり、毎日ひとつの哲学的な言葉が書いてあります。
1日1ページなので、とても分厚い本になっています。
日付には曜日は書かれていませんので、ずっと使えます。
ていねいだなと思ったのは、紹介されている哲学が365個ではなく、366個あること。
ちゃんと「うるう年」のことを考えています。
うるう年は太陽暦で1年が366日ある年です。
2月29日のうるう日がある年ですね。
365日の年は平年と呼ばれています。
現在、使われている太陽暦(グレゴリオ暦)では、うるう年の決め方は次のようになっています。
(1)西暦年号が4で割り切れる年がうるう年
(2)この例外として、西暦年号が100で割り切れて400で割り切れない年は平年。
ということで、次のうるう年は2020年です。
2020年は夏季オリンピックのある年なので、夏にオリンピックがある年はうるう年と覚えればよいですね。
ちなみに(2)にあてはまる年で一番直近は2100年。ずいぶん先ですね。
なぜ、うるう年があるかと言うと、地球が太陽の回りを一周するには、約365.24日ほどかかるということに起因しています。
365日と約5時間50分。
つまり、1年で約6時間のズレがあるのです。
このズレを4年間ためていくと、約24時間、1日分のズレになります。
4年間でできた1日分のズレを埋めるのが、うるう年の2月29日なのです。
なぜ2月で日数を調整するかと言うと、古代ローマ暦では、現在の2月が1年の最後の月だったからです。
古代ローマでは2月でその年が終わり、3月から新しい年がスタートしていたのです。
ロマンを感じますね。
かなり話が脱線してしまいました。
原田まりるさんの著書「まいにち哲学」に戻ります。
うるう年も考慮して、366日、毎日新しい哲学に出会えるというコンセプトの書籍です。
カバーを取ると、なかなかおしゃれな洋書風のデザインになっています。
カバーを広げてみると、なかなかステキなデザインです。
さらに、カバーを裏返しにして広げると、366日の哲学カレンダーが出現しました。
使い方はひとそれぞれですが、ぱらぱらとめくって気になる言葉を読んだりすることが多いかなと思いますが、何はともあれ、自分の誕生日をまずめくってみる人が多いのではないかと思います。
私の誕生日は3月6日なので、さっそくめくってみました。
人生は刺繍した布に譬えることができる。
裏はたいして美しくないが、糸の繋がりを見せてくれるから、表よりはためになる。
ショーペンハウアーさんの言葉でした。
ふむふむ。
原田まりるさんの解説があり、一番下にここを読めば要点がわかるという1行もあります。
要点には「大人になってはじめて理解できることがある」とあります。
ふむふむ。
人生は最初は美しさとかかっこよさを追究します。
人生も後半になってくると、様々な裏側を見ることになります。
結構めちゃくちゃ。
本当にめちゃくちゃ。
このめちゃくちゃさが、楽しいと思えれるなら、まだまだ先に進める。
などと考察したのですが、ふむふむ。
哲学とは何なのでしょうね。
日常の悩み、葛藤と向き合うきっかけにできたり、何気なく思っていたことの本質や新たな発見のきっかけをもたらすものが哲学とでも言えばよいでしょうか。
なかなか面白いヒントをくれる書籍です。
気楽に自分の誕生日だけでも見てみると面白い書籍だと思います。
我が奥様の誕生日の日の哲学も読んでみましたが、これはヒントになるというより、必要以上に考え込ませてしまうのではないかという難しい言葉が載っていました。
ふむふむ。すすめるのではなく、さりげなく書籍を置いておくだけにしようと思いました。
ちなみに、1月1日。
勇気は最高の殺し屋だ
ニーチェ
どうしてこれを1月1日にしたのでしょうね。
でも、うんちくのある言葉です。
解説を読まずに、自分であれこれ創造してから、解説読むと面白いです。
原田まりるさんの解説とはまったく別のことを考えたので、これはこれで楽しいものです。
日本では哲学を学ぶ機会というのは、自分で学ぼうとしないと出会う機会がありません。
これは今の年齢になって思いますが、若い頃にこそ哲学にふれるべきと思います。
海外に目を向けると、フランスの高校では3年生に哲学の授業があります。
フランスでは高校生は文系、経済系、理科系に分けられていますが、全員が週に4時間~8時間の哲学の授業があります。文系で週8時間、経済系で4時間、理系は3時間。かなり真剣に哲学を学びます。日本のセンター試験に相当する大学入学資格試験でも哲学の筆記試験があり、何と4時間です。
いい意味での批判精神を養い、自分で考えて行動できるようになるためだと以前フランス人の教育関係者の方に聞きました。
先の見えない時代だからこそ、考え、自ら未来を選択するための教育として重視されているのです。
日本で言うと「倫理」の授業が一番近いのでしょうが、哲学者の名前、著書、思想の内容を学習することが多く、重要視されていないので試験直前に暗記をして乗り切るというタイプの教科になっています。一歩掘り下げて考えさせるというのは少ないように思います。
フランスではあたり前と思われていることを見つめ直し、とことん考え、あっ実はそうだったのか、という素養を求められるのですが、すばらしい国だと思います。
哲学に気軽な気持ちふれてみるというのはなかなか風情があるものです。
興味のある方はぜひ書店で「まいにち哲学」を手に取ってみてはいかがと思います。
とてもよい本です。