ココニコのキモチ

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いろどり工房ココニコ管理人(ボランティア)のキモチブログです。日常生活と本職(教育分野)の気づきのお話をしています。

染織工芸に命が宿る瞬間

織工芸という日本の伝統工芸があります。
染織は「せんしょく」と読みます。
「染め」と「織り」の分野の技術を使った製品です。
我が奥様は今、染織工芸なるものを習いにに行っています。

白石眞弓先生に習っているそうなのですが、先日、大きな作品を家で見せてもらいました。嬉しそうでした。この大きな作品も含め、白石眞弓先生の生徒さんの作品を集めて展示会をするというので、一緒に観に行ってきました。

場所は武蔵野市市民文化会館の展示室。
染織工芸染色アート展」です。

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武蔵野市民芸術文化協会と武蔵野市教育委員会の共催で実施されていました。

広くてゆったりとした時間の流れる空間です。

これが我が奥様の作品です。タイトルは「実りに感謝」。

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家でみせられた時は近い距離から眺めたのですが、広い空間でみるとまるで違った印象になりました。
絵とか写真などは明るくて広い場所に飾るとキモチがいいですね。
天井も高く、ゆったりと配置され、照明も明るい。
この会場ではなかったのですが、さらに心地よい音楽が流れるとさらに違ってくるのではと思いました。

伝統芸能の世界での著名な方や、OSK日本歌劇団のトップスターの方の作品もありました。生徒さんだそうです。皆さん、自分自身の衣装や練習着を自ら創り、染めるということに挑戦されているそうです。
自分の演技の技を磨いていくと自然に衣装の領域も自分でやりたいというキモチになるのはとてもよく理解できました。

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先生方の作品はどれもひときわ大きなものばかりでした。
白石眞弓先生の作品は4枚に分かれて描かれた作品でした。
先生から直接解説をして頂いたのですが、4枚の並べる順番は描いていた時と、会場に持ちこんで飾る時では変えたそうです。左から2番目の絵は描いている時は一番右にあったそうなのですが、ここに来て、並べた際に順番を入れ替えたほうがいいと考えたそうです。
一枚で大きな絵を描くだけでなく、こうした何枚にも分けて大きな作品を作る時は、こういう演出ができるのがいいところだと教わりました。
3ヶ月かけて作ったそうですが、受付で先生方の作品は撮影できないと説明を受けていたので、ここで紹介できないのが残念です。
雪景色の空間の中で鳥が羽ばたくというのを描いた作品です。
鳥の眼がいいですね。生きているという印象を受けました。・・・と感想を伝えたのですが、生き物を描いていると「命が宿る瞬間が来ることがある」と教えて頂きました。
「命が宿る瞬間」、自分自身に絵心はほとんどありませんが、キモチや感覚はわかるなぁと思いました。モノ作りは何でも、そういうことはあると思います。自分のキモチが形になり、自分のキモチとは違う空気を創り出すことはあります。こういう瞬間をたくさん経験できた人は幸せだと思います。
先生からは布へ色を染める材料として使う染料と顔料の違いも教えて頂きました。
布に染まるということでは一緒ですが、仕組みはまるで違います。
染料は繊維の中に色がしみ込む形で色がつきます。
顔料は水にとけない材料です。のばされて、繊維の表面に接着するという形です。布の繊維の上に乗せられているのです。
顔料のほうが耐久性も高く、光にも強いので、展示作品としては顔料のほうがよいそうです。

ちょっと時間が出来たので、興味本位でのぞきに行ったのですが、心地よい時間を過ごすことができました。

ぶらぶらと1時間、キモチよい時間でした。