ココニコのキモチ

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いろどり工房ココニコ管理人(ボランティア)のキモチブログです。日常生活と本職(教育分野)の気づきのお話をしています。

どゃぶりの街とムサビ

18日の火曜日、夜、自宅の最寄り駅で降りると、何かいつもと違う。
道路がきたないのです。
都心でもかなりひどい雷雨だったので、ここも激しかったのかなと思ったのですが、家に向かう途中の道が結構荒れた感じでした。道路上に妙な痕跡があり、後で、これが雹(ひょう)だとわかりました。
雹(ひょう)は直径5ミリ以上の氷の粒。これが5ミリ未満だと霰(あられ)ですね。
道の無数の痕跡からすると直径10ミリを超えていたと思うのですが、そうすると大体時速50キロぐらいのスピードで降ってくるので、完全に凶器です。

夜、テレビのニュースを見ていたら、突然、武蔵野美術大学、通称ムサビが画面に登場。
ゲリラ豪雨で校舎が完全に浸水しています。
雷が落ち、火災報知器が鳴り響いています。
ものすごい状況でしたが、ムサビに近い我が家の周りの地面の様子はこれで当時の様子がわかりました。

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後で知ったことですが、この日は試験期間中で、かつレポートの提出締め切り日
ムサビのことだから、何が起きていようとも容赦なく時間通りに窓口を閉じたに違いないのではと思いました。〆切には厳しい大学なのです。1分後に窓口に行っても、無情にもアウトとなるのです。
ムサビ生にとっては試練の日となったに違いありません。

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でもきっとムサビ生のことだから、楽しんでいるに違いありません。
どしゃ降りの中で、目をキラキラさせたムサビ生の姿が想像できます。
どんな時でも学びのための空気でいっぱいの大学です。
偶然の中から何かが生まれるものです。偶然性はとても大事です。

美大のように、クリエイティブを学ぶ場では、師弟関係とか教えるということも大事ですが、個別指導では本物のクリエイティブを学ぶことはできません。天才は独学や師弟関係で伸びていきますが、フツウの才能はこれでは成長しません。基礎基本の力を身につけることを地道に実行しつつ、集団の場が必要です。作品を作る過程で創意工夫をし、他人の作品作りの様子を見ることで姿勢や行動を学び、作品を皆で並べ、正しい指導者が正しい目線で厳しい批評をする。評価されるものは必然的にほんの一握りです。この競争の場、緊張感のある場が才能を作っていきます競争の場は激しければ、激しいほどよいのです。泥臭く、一途に苦しみながら学ぶのです。ある意味残酷な世界という一面もありますが、悩み、苦しみながらも〆切に向けてやり通すことの積み重ねが成長につながります

娘が卒業してから1年半経ちましたが、ムサビに行かせてよかったと思います。