ココニコのキモチ

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いろどり工房ココニコ管理人(ボランティア)のキモチブログです。日常生活と本職(教育分野)の気づきのお話をしています。

鬼太郎と猫とリ・クリエイト

土、日、月、火、水と夏休みでした。
やらねばならないことが多すぎて、休んだという気持ちにはならなかったのですが、こんな中、我が奥様がそごう美術館のミュージアムショップのところで作品を展示していたので、初日に激励に行ってきました。
行ってみてわかったのですが、8月21日の日曜日にはトールペインティングの体験教室をするそうです。

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手描きハンカチを作るというのがテーマのようです。
興味のある方はぜひどうぞ。

ちなみに、初日に来てよかったことがいくつかありました。
鬼太郎と猫とリ・クリエイトです。

鬼太郎はこれです。

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我が奥様の展示の通路をはさんだところで、水木しげるさんのイラストの展示があったのですが、鬼太郎折紙なるものを売っていました。思わず購入してしまいました。今月いっぱいはやっているそうです。

猫はこれ。

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そごうの下のほうの階で猫にちなんだイベントをやっていて、なかなか見応えのあるグッズがありました。

最後がリ・クリエイト。
せっかく横浜そごうに来たのでということで、そごう美術館で実施している「レンブラント リ・クリエイト展2016」を鑑賞してきました。

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リ・クリエイトというのはいわゆる複製画のことです。
17世紀のレンブラントという画家の複製画。複製画だから・・・という意識で入ったので、絵はふ~ん、複製画なんだよねという気持ちでぶらぶらと歩いていきました。
夜警というのが、目玉の作品らしいということで、この絵の前では足をとめてじっと見つめてみました。
視力がよくないのもありますが、じ~と眺めていると、複製画って言われなければ、わからないなぁと思いながら、次に、絵の横にかかげてあった解説のパネルを読んでみました。
絵よりも、パネルに見入ってしまいました。

レンブラントの最高傑作と言われているのが「夜警」というこの作品です。

ちなみに、美術館の中は写真撮影が自由にできました。デジタル作品だからなのでしょう。

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この作品は火縄銃手組合からの注文で1642年に完成したそうです。しかし、1715年にアムステルダム市庁舎へと移される時に、作品の上下左右が切り詰められてしまったそうです。これは市庁舎の部屋の 2本の柱の間に絵がきちんと収まるように、切り取られたそうです。現在、本物の夜警はアムステルダム国立美術館に展示されていますが、最初の作品とは異なっているのです。
最初に作品が完成された後にヘリット・ルンデンスという方が模写をしていました。
この模写をもとに切り詰められた部分も含めて今回は再現されています。

パネルを読んでいくと、さらに面白いことが書いてありました。

今回、最初は1715年に切断された部分も含めたサイズでの完全複製を試みたそうです。
ところが、そごう美術館の天井の高さは310センチ。
最初の原寸サイズは高さが388.4センチ。
このままでは垂直に展示できないので、最初は斜めに展示することが考えられたそうです。
ところが、斜めにした場合には、真正面から鑑賞しようとすると、床に寝そべるか、もしくは一段高いところから見下ろす形での展示になってしまう。これは困った。
では、縮小すればいいかと言うと、それは夜警ではなくただの絵画になってしまう。
いろいろと検討した結果、総合監修を担当したエルンスト・ファン・デ・ウェチリンク教授が提案したのが、第二の夜警で切り取られてしまった上下左右を再現した上で、上部を美術館の高さに合わせて切り取るというものでした。
第一、第二、そして今回のそごう美術館での作品を比較したパネルを見ると、確かに、第一の夜警にあった群衆の動きが再現するにはこの方法が一番よいと思いました。

パネルの説明を読んでから、夜警のところでしばし鑑賞。
絵の鑑賞はやっぱり知識があるとないのとでは、まるで違うなと思った次第です。
絵の鑑賞も事前学習は欠かせないなぁと思います。

ちなみに、夜警という通称で呼ばれるようになったのは18世紀後半だそうです。
一部の人物にしか強い光が当たっていないこと、場所が暗い通路であること、そして画面全体が年月とともに暗く変色したことによって、夜を描いたものだと誤解されたからだそうです。

今回の展示が複製画と言わずに、“リ・クリエイト”という名前になっていますが、これも普通の複製画とは根本的に異なっているからだということが、行ってみてわかりました。
リ・クリエイトとは、複製ではなく、文字通り再・創造を意味しています。
単に再現するのではなく、作家の世界観、生命観を最新のデジタル画像技術で翻訳した新たな創造物なのです。作品は数百年にわたる経年劣化で、細部が失われています。この部分は元通りになりませんが、この失われた部分に作者の本当の想いが宿っていたとしたら・・・という発想で再現したので
リ・クリエイトと呼んでいるのだそうです。

資料、監修者の意見、当時の状況の推測などから基本修復設計を作成。
当時使われた顔料、素材を取り寄せ、本来の色、質感をスタッフ全員で共有。
作者が求めた色、コントラスト、光と影、細部のディテールの意図の解釈などから全体のイメージを確定。
創造のポイントを整理し、基本データを制作。
様々なキャンパス地にプリントし、生地を確定し、その生地での再現性を最大限にするようにデータをサイド加工。
最終作の完成。

妥協を許さない工程を経て、作品が生まれていました。

私もデジタルを活用した教育を仕事のひとつのテーマにしてやってきているのですごくよくわかりましたが、デジタルはやっぱり創造する側の心意気のあるなしで、まったく効果が違うと思った次第です。

今回のそごう美術館の展示も、18カ国に点在するレンブラント作品を一堂に鑑賞できるのは、デジタルの時代だからと言えます。デジタルでやれることはまだまだ無限にありそうです。

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以上、いろどり工房ココニコのホームページ管理人(ボランティア)のお話でした。

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