ココニコのキモチ

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いろどり工房ココニコ管理人(ボランティア)のキモチブログです。日常生活と本職(教育分野)の気づきのお話をしています。

杉山家の4月1日、そして悩める美大生へのメッセージ

4月になりました。
杉山家の4月も始まりました。
一番大きな変化と言えば、美大生だった娘が社会人になったことでしょうか。4月1日、入社式があり、そのまま新入社員全員は合宿研修で山梨の施設へ行きました。合宿研修は約10日間。どんな顔で帰ってくるのでしょう。

娘は美大生でしたが、就活は本当に大変でした。

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美大生のための就活はどうしたらいいのか。
美大生のための就活情報が世の中にはほとんどありません。
就活対策本はいろいろ出ていますが、美大生向けのものは他人事ではないかと思うようなものが今にして思うと、多いなと感じています。

●あこがれのクリエイティブ枠採用

娘はひたすら「クリエイティブ枠採用」を受け続けていました。
いろいろ私もアドバイスや支援をしたつもりですが、最初は不採用の連続でした。
「クリエイティブ枠採用」は未知の世界、その上、元々、数人から多くても10人ぐらいの採用枠です。

企業別に課題が出され、連日連夜、作品作りをしていた日々は今思い出しても、家の中に緊張感がただよっていました。

●赤帽は美大生の就活の必需品

びっくりしたのは、その課題作品を持ちこむために赤帽が必用だったことです。美大生の間では常識のようなのですが、親としては、本当にびっくりぽんでした。
すごい作品を作っては赤帽で運んでいましたが、不採用の場合でも心血注いで創り上げた作品はほとんど帰ってきませんでした。
不採用よりも、あんなにがんばって作った作品、それも結構巨大な作品が没収されてしまうのは、何と理不尽なんだろうと思ったものです。

本人も気落ちした頃、ポンポンポンと内内定をもらえるようになりました。
結果的に不採用だった企業も含めて、親から見ると、一番いい企業だと思える企業に入社することになりました。
でも、就活をする時は、本人も私もまったく想定していなかった企業です。
やりたいこともでき、私からみても愛すべき企業だというのは終わってみれば、娘の就活は大成功でした。

このブログはどうも娘の関係者、後輩?なのか美大生も読んでいる様子があります。
ということで、ここから先は美大生に向けたアドバイスを書き起こしておこうと思います。

ポートフォリオ地獄に陥ってはいけない

美大生の就活と言えば、まずポートフォリオ
4年間で創ってきた作品の写真とプレゼン資料で構成された作品集のことです。
相手先によってはポートフォリオは作り直しが発生します。
これは結構しんどい作業です。

但し、間違えてはいけないのは、就活はポートフォリオを作る事とイコールだと思っている美大生は多いようですが、これは勘違いです。

OB・OG訪問も美大生はポートフォリオを見せなくてはいけないと勘違いしていて、訪問が遅くなったり、結局、ほとんど行っていないという美大生も多いようです。
ポートフォリオ作りは大切なことではありますが、企業研究は大事です。

●美大生の武器はポートフォリオではない

美大生の大学生活は正解のない答えを見つける日々です。
なおかつ、他人とは違う、ひと味違った答えを表現するという訓練が続きます。
4年間、本気で美大生の生活をしていると、すごい力がついています。
娘は365日、何かしら創っていましたし、描いていました。
1日も休まずです。
このことはすごいと娘をほめてやりたい気持ちです。
実はこの4年間の過ごし方が一番の就活の武器になっています。

表現技能を4年間訓練してきていることに加えて、正解のない課題に取り組んできた経験を積んできていて、他人と違う答えを出そうとする習性も身についてます。
この修行の日々で成長した「人そのもの」が強い武器なのです。
ポートフォリオは武器になりません。

美大の就活はポートフォリオを作る事だと勘違いしていると、とんでもないことになります。
採用する側は作品ではなく、人を見ています。
ポートフォリオを見せて、評価してもらうのではなく、自分のありのままを見せて、評価してもらうのです。
これに気がつくと、就活の行動、企業に出向いた時の行動が違ってくると思います。
どの企業からも娘は何度も呼ばれていましたが、夜、その日の様子を聞くと、ある時から、おっこれはいけると思うようなやり取り、企業側の担当者の発言が感じられるようになったのですが、ポンポンポンと内々定がでるようになりました。


●美大生は宇宙人

美大生は私が知っている限りでは、我が道を行くという人種が多いように思います。
本当に宇宙人です。
元々、普通ではない道を進んでいこうとしている人種です。
なおかつ、いい意味で自信過剰な面があります。
私には才能があるという自信がなければ、美大には来ないと思うので、これは必然です。

宇宙人としての人物の魅力が伝えられるようになると、内々定が取りやすくなっていきます。

娘は最初は失敗の連続でしたが、その中で学んだことで結果が出せたのだと思います。
娘にとってさらによかったのは、失敗したことで、応募することなど想定していなかった企業がその後のタイミングで自分の目の前に登場し、なおかつ、今までで一番魅力的な企業だったことです。
終わってみれば、大成功の就活でしたが、はらはらドキドキの日々でした。

美大生が目指すクリエイティブ職の採用はどんな企業でもひとりから多くても十数人です。今年の就活もスタートしていますが、美大生がひとりでも多く自分の目指す仕事にたどり着いて欲しいと願っています。

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以上、いろどり工房ココニコのホームページ管理人(ボランティア)のお話でした。

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