ココニコのキモチ

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いろどり工房ココニコ管理人(ボランティア)のキモチブログです。日常生活と本職(教育分野)の気づきのお話をしています。

映画「勝手にふるえてろ」

勝手にふるえてろという映画を鑑賞してきた。
観た人でないとわからない書き方をしようと思う。
既に観た人にはこれから書くことがわかってもらえると思う。
観ていない人には、何のことだかわからない形で書こうと思う。
心ある人ならいい意味で衝撃的な映画になるはずだと確信したので、中身がわからないように書くのが礼儀だと思うのだ。
ココロが健全だと思う人にはぜひ観に行ってほしい。
そういう映画だ。

 

では、今回の本文スタート。

 

映画「勝手にふるえてろ」。
面白い。
このひと言につきる。
たいしたものだ。
リアリティがある形で応援したくなる女性像をステキに描いている。
展開が読めなくて、ドキドキした。

終わってみれば、松岡茉優さんの自然で緻密な演技力のスゴさが心に残ったことのひとつ。

よくしゃべる。
しゃべる演技がすごい
しゃべりまくり、突然、静かになる。
但し、静かなのは意味がある。
頭の中の独り言が聞こえてくるようだ。
いい意味での自己中心的。
話し方がステキだ。
でも、声は相手に届いていない。
悲しいがこれも意味がある。

しゃべるだけではない。
歌う。
怖いほど歌う
物語を大転換させるのに歌わせるという演出がスゴイ。
孤独な歌。
応援したくなる歌。
松岡茉優さんは歌もうまいではないか。
演技力のある歌というのが存在するものなのかと認識した。
序盤のハイテンションから始まり、心の動きがジェットコースターのようにせまってくる。
こんなにいろいろな表情ができる女優さんだとは知りませんでした。

 

監督兼脚本の大丸明子さんもすごい。
計算し尽くされた脚本に違いないと思うのだが、すばらしい。
出演者の能力を絞り出す演出がまたすばらしい。
孤独と闇をユーモアと演技力と演出力で最高のエンターテイメントに仕上げたという印象。
前に進め、前進あるのみ!というキモチになる作品だ。

もう一度言う。
面白かった。

でも、重い。
苦しい。
どんな感性、生活をしているかによって、人によって、感じ方がまるで違う作品だと思う。
こういう観点からも、いい映画だと言える。

教育分野の仕事をしているので、たとえが変だが、試験がうまくいかなかった時、心から悔しいと思えるようなキモチを持つ人ならば、観に行ったほうがいい。
間違えても何とも思わない、リベンジしなくていい、今が楽しければいいというキモチのタイプなら、観に行ってもよさはわからない、という感じだろう。

もう一度言う。
がんばっているけれど結果がでない。
くやしい。
という方であれば、観に行ったほうがいい。
高校を卒業していたら、観に行くといい。
高校卒業あたりから三十代には特に響くのではないかと勝手に思った。
きっと元気になる。
元気をもらえるのも普通の元気ではない。
もがき、苦しみ、どしゃ降り・・・だけど、笑え、前を向け、進め!というキモチを健全なココロを持っていれば感じることができる映画だ。

こういう映画を観て、いい映画だったねと感じる人が多ければ、日本は大丈夫だと思ったのだが、どうなのだろう。

違う言葉で表現する
この映画は怖い。
描き方が怖いが、ステキだ。

偶然、桐島という名前も出てくる。
桐島、部活やめるってよ」よりも原作は前に書かれているのだが、偶然とはいえ、こんなところも怖いが、ステキだ。
偶然なのか、運命なのか。
たぶん・・・運命だ。
主役の松岡茉優さんの他にも「桐島」登場人物がいた。

映画の中で出てくるLINEやFacebookの使い方も怖いが、ステキだ。
でも、真似したらいけない。

登場人物もステキだが、後で怖くなる。
行きつけのカフェの金髪の女子店員。
駅員さん。
釣りおじさん。
眉毛のつながったコンビニの店員さん。
隣の住人の女性、通称オカリナさん。
バスで隣にすわる老女。
女子の同級生。
同窓会のお店のおばちゃん。
同僚の女性。
もちろん、イチと二の男性ふたり。

登場人物に意味を持たせているのがいい。。

スマホのアラームが怖い。
昼寝もこんな形で見せられると怖すぎるが、いいシーンだ。
昼寝のシーンが何度か出てくるが、衝撃の昼寝だ。

怖いほどの女性心理。
恐るべし。

観に行った人でないと、もはや何を書いているのかまったくわからないことになってきているが、それでいい。わかる人だけわかればいい。観た人同士で、そういうキモチが異空間で共有できればいいと思って書いているのだ。

 

パンフレットもゲットしてきた。

パンレットと原作本を並べてみた。

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パンフレットには、夏生さえりさんが寄稿されていた。
通称、さえりさんとして有名な方。
「愛すべき暴走ガール」と表現されていて、見開きのページにぎっしりの長文はやっぱりすごい女性だと実感。
なるほど愛すべき暴走ガールというのがピッタリの主人公だった。

さえりさんの見立ては見事だ。
この他にパンフレットに登場する方々の人選も、面白い。
パンフレットは大事にしよう。

ちなみに、父が水谷豊さん、母が伊藤蘭さんという女優さんも出演されていたが、パンフレットにはこのことは書かれていなかった。パンフレットの写真の笑顔はどことなく伊藤蘭さんに似ている。ご両親の影響、環境、空気がただならぬ力を育てているに違いない。印象的でいい演技だった。

本当に観てよかった。
観ないとよさはわからない。
衝撃作だ。

上映館が少ないのが少し残念。
自分は新宿のシネマカリテという階段を降りた地下にある2つのスクリーンしかないこぢんまりとした映画館で観た。100席ないスクリーンなのだが、座り心地を考えたゆったりした映画館だ。こだわりのある作品ばかりを選んで、結構、好きな映画館だ。
勝手にふるえてろ」はこういう人知れずの映画館が似合うような気がした。
遠くの小さな映画館まで行かないと観れないけれど、行く。
こういう雰囲気、小さなスクリーンが似合う映画だった。

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大きな大画面で、広々とした空間には合わないような気がした。

行った時は、ほぼ満席だった。
男子、女子、若者から老人まで、不思議な集団だった。
皆、満足そうに帰って行った・・・と自分のまわりの席の様子だけからはわかった。

もう少し早い時期に上映開始になっていたら、国内の映画賞をかなりの数、取れたのではないかと思ういい映画だった。

毎日、紆余曲折はあっても、一歩ずつ前を向いて進む健全な老若男女だと思う人は観に行くととってもよいと思う映画のお話でした。

勝手にふるえてろ」公式サイト

 

最後に、おまけで、アンモナイト

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手元にあるのは4センチほどの大きさで映画の世界とは違うけれど、映画を見終わってから、アンモナイトが元気を呼ぶステキなアイテムに思えてきた。引き出しに眠っていたのだが、これからはリビングのテーブルの上にちょこんと置くことにする。
そのうち、何これ。
また理解できないことをしている・・・と我が家で言われるに違いない。
間違いないが、気にしない。
ふむふむ。