ココニコのキモチ

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いろどり工房ココニコ管理人(ボランティア)のキモチブログです。日常生活と本職(教育分野)の気づきのお話をしています。

白紙のお話シリーズ③stoneのフォントへのこだわり

々回でご紹介した日本デザインセンターからまもなく発売予定の「書く気分を高めるテキストエディタ」stone

kokoniko.hatenablog.com

下書きをstoneで書いても、最後の仕上げではフォントを変えることのできるエディタに変更し、書くキモチを高め、中身にまで心地よい影響を与えるのにフォントは不可欠だと書きました。
stoneチームのYさんからメールでメッセージがきて、デフォルトの書体でも、ていねいに使うことで実は美しい書体だということに気づいて欲しいという思いもあってふたつの書体だけにしていると教わりました。
なるほど。
なるほど。
こだわりを持って作られているのがわかりました。

広告・デザイン制作会社らしいこだわりでもあります。
ブログでは書きませんでしたが、メールでこの他に気になる点を指摘をしたところ、賛同してくださり検討項目に加えてくださるというやり取りもしていますが、こだわりを持ってモノ作りをする人、チームはキモチのよいものです。

さて、それではということで、私のフォントへのこだわりをふり返るため、私がMacで文章を書く時に使うフォントをあらためて見つめ直してみました。
下のフォント一覧を見て下さい。

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最初のふたつはstoneで採用されているフォント。
残り4つが文章の仕上げの段階、推敲の時に使っているフォントです。

イデアを練っている時は
エディタでキーワードを羅列しているか、
白紙の紙に万年筆を使って手描きで書き出している
ということが自分のスタイルなのですが、特に手描きの時はその時のキモチが文字にあらわれます。白紙にずらずらといろんなキーワードや短文が並んでいる状態を見つめていると白紙の上の文字が自分に語りかけてくるような気分になります。

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書くということは、書いた文字、文章を読んで、さらに書き直すという推敲の作業が発生するわけですが、お気に入りのフォントで表示された文字や文章を画面上で見つめているとしゃべりかけてくるような気分になります
フォントが語りかけてくるのです。
やさしい声、
力のこもった声、
楽しさにあふれた声、
真剣に見つめているとこんな声が聞こえてくる気がするのです。
パソコンではなく、手描きの文字で白紙をうめると、あちこちから違う声優さんが語りかけてくる気がする場合もあります。
妙な性格だと言われれば、それでオシマイではありますが、勢いがある文字、自信のない文字、礼儀正しい文字、誠意のある文字、、、文字には不思議な力があります。

Windows95が登場する頃、ある教育ソフトを開発していたことがあります。その時、ものすごくフォントにこだわったことがあり、その影響もあるのだと思います。

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小中学校向けのソフトでしたので、教科書体のフォントが必要だったのですが、「この文字はこうして欲しい」とか、「いやそれはおかしい」といったやり取りをフォントメーカーの方としながら作ったものです。
職人気質の方だったということもあり、しんどい期間でしたが、キモチのよい仕事でした。
ちょうど教科書体と言えば、毛筆タイプが主流だった時代が変わろうとしていた頃でした。教室では鉛筆を使うので、硬筆で書かれた筆跡を取り入れるべきだけど、時代の流れを考えた時、毛筆か硬筆かでかなり悩んだものです。
文字のデザインにこだわるMacの文化、文字は手段として割り切るWindowsの文化が錯綜している時代でもありました。
パソコンと教育というものに取り組みながら、でも手描きの大事さ、奥深さは大切にしたいという思いは今も変わりありません。エディタに教科書体フォントとか楷書体フォント、手描き風フォントを設定しているのも、創造的な作業とこれらのフォントがココロやキモチの面で馴染んでいるのだと思います。

文字で書かれた資料とか文書を「見せる」場合、「読ませる」場合には、「視認性」「可読性」「判読性」を高めることを意識しながら、もっとも効果的なフォントを選ぶ必要があります。
長文だと可読性が大事なので、細いタイプの明朝体系がよいでしょう。
太いフォントだとパッと見が黒々とした紙になってしまい、可読性が下がりますので、ゴシック体ではなく明朝体、それも細いタイプがよいのです。
仕事で多用するプレゼン資料であれば、要点やポイントを的確に伝える必要があるので、
読みやすさの可読性ではなく、遠くからでもしっかりと文字を認識できる視認性を考えてフォントを選ぶことが重要です。だから、明朝体はよろしくないとなります。特に大事なポイントの部分とか、タイトルは存在感のある太いフォントを選択する必要があります。
ポイント以外の文章は判読性に注意しながらフォントを選択します。
通常の太さと強調する太字を使い分けながらだと、Macだとヒラギノのゴシック系、Windowsだとメイリオ系かなと思います。ソフトで太字を指定しただけで、可読性が高まる典型的なフォントだと思います。太字にすると太字になっただけで可読性は高まらないフォントがありますので、フォント選びは結構大切です。

フォントは手描きとデジタルの世界をつなぐ大事な技術だと思います。