ココニコのキモチ

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いろどり工房ココニコ管理人(ボランティア)のキモチブログです。日常生活と本職(教育分野)の気づきのお話をしています。

白紙のお話シリーズ②日本デザインセンターが作った白い紙 stone

あって、日本デザインセンターという企業が開発中のstoneというテキストエディタを試用させて頂いています。

stoneのキャッチフレーズは「書く気分を高めるテキストエディタ
へぇ~と思いました。このキャッチフレーズを形にしたらどうなるのだろうと期待感が膨らみました。

感想や意見をレポートしないといけないのですが、使った感想をいろいろな場で発信して欲しいとも言われたので、このブログでもご紹介します。

 

日本デザインセンターは日本の広告・デザイン制作会社です。
広告デザイン業界では名前の知られた企業のひとつです。

 

まず、日本デザインセンターから渡された「書く気分を高めるテキストエディタ」stoneの紹介文を引用してみます。

---------【引用スタート】----------------
いざ文章を書こうとパソコンを開いても、思うようにはかどらないことがあります。
コーヒーを飲んだり、音楽を聞いたりして気持ちを鎮めても、
最初の一行が思い浮かばない。上手な言い回しができない。考えがまとまらない。
なぜでしょうか。私たちはこう考えます。
頭の中の想いを定着させる肝心のパソコン画面が
煩雑で、使いづらく、集中力を欠くようなものであるからではないかと。
鎮めないといけないのは、スクリーンのほうだったのです。
stone(ストーン)は、日本語を書くことに主軸を置いた文章作成アプリケーション。
清らかな気持ちで文章を書く。そのために機能は極力そぎ落とし簡潔に、
画面はシンプルで、文字が美しくつづられる、「素」のノートに徹しました。
書かれることを静かに待つかのように、凛と佇むスクリーン。
これまでにない書き心地のstoneは、あなたからどんな言葉を引き出すでしょうか。
stoneはmacOS向けのアプリケーションです。

---------【引用オシマイ】----------------

この紹介文を読んだだけで、ワクワク、ドキドキ。


立ち上げると白い紙が画面上に出現しました。

これです。

 

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立ち上げて「書く気分を高めるテキストエディタ」と一行書いてみました。

おぉ~!と、しばしびっくりしました。
その画面がこれです。

 

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最初の文字が中央部分から入力されるのです。
これは衝撃的でした。
今までにない感覚でした。
えっ?、えっ?、えっ?と、とまどいましたが、これは面白い感覚だと思いました。

 

私は仕事柄、教育用コンテンツやシステムと長い付き合いをしているのですが、教育用途の製品で大事にしてきたポリシーのひとつが「引き算の発想」でした。余計なものをそぎ落とすことで、「心地よい不便さ」が実現できることで、教育現場では本物の教育作法につながるのです。不便なこと、困らせることのほうが、子供は結果的に考えることとなります。
便利な道具も不便さを演出することが大切です。


例えば、便利なデジカメ。
デジカメを子供に自由に持たせると膨大な写真を撮ってきます。

そうではなく、撮影してもよいのは5枚だけにしようという不便なルールを決めると、5枚しか撮れないので、一生懸命にいいシーン、劇的なシーンを撮影しようと考えます。
自由に撮影させる場合と、5枚だけだよと制限した場合、どちらがすばらしい写真を撮ってくるかは一目瞭然です。5枚だけのルールがあると、なぜこの写真を撮ったのかについて説明させても、子供らしい知恵と創意工夫を発表します。

考えなければ、学習ではありません。

 

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「引き算の発想」はクリエイティブな活動であれば、あるほど、活きてきます。
もちろん「引き算の発想」はそれを操る指導者の側の能力も試されることになります。

 

さて、今回の「書く気分を高めるテキストエディタ」stoneはこの「引き算の発想」の考え方に似てるようで、ちょっと違いますが、さすが日本の有名な広告・デザイン企業だけあって、発想がとても面白いと思いました。

テキストエディタというのは、文章を書くための道具ですが、stoneが持っている機能はとても少ないのです。
設定できる基本書式は次のわずか5項目です。
①書体の変更(明朝体とゴシック体だけ)
②文章の向き(縦書きと横書き)
③文字の大きさ
④行の空き
⑤一行の文字数

シンプルな白紙がパッと登場し、縦書きが出来たりするところは、広告の世界のコピーライターの方にはとてもよい構造だと思います。

オススメの書式が設定された定型パターンとして「レポート」「小説」「雑誌」「手紙」などが用意されています。利用者はこれを選択して文章を書きます。

 

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基本設定で用意されていたものは、自分の用途にはそぐわなかったので、好みの形にカスタマイズしたファミジィ書式を作り、書いています。

実は、このブログの前々回の「白紙のお話シリーズ①白紙が肝になる作文」からはstoneを使って書くようにしています。

kokoniko.hatenablog.com

元々は前々回の中にstoneの話も書こうとしたのですが、気持ちよくstoneで書いていたせいか、長文になったので、文章を前回と今回の2回に分けました。

前々回のブログを書いていた時はstoneの白紙を画面上に大小の2つ立ち上げて、小さな白紙には書く時のメモだったり、キーワードを書き出しました。それを見ながら、もうひとつの大きな白紙で本文を書き起こすという使い方をしました。
その時の私のMacのデスクトップはこんな感じです。

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前回の水樹奈々さんのミュージカルをテーマに書いていた時は、これ以外にスマホをそばに置いて、劇場の写真を表示して書いています。本当はディスプレイ上に文章を刺激する写真も表示したいところですが、そんなに広い画面ではないので、スマホが登場します。

 

立ち上げるとキモチのいい白紙の登場。
左上ではなく、白紙の中央の行から入力。
そして、シンプルな見た目。
これが「書く気分を高めるテキストエディタ」stoneの特徴ですが、元々、執筆の時のイデアやネタをこねくり回す段階ではアウトラインプロセッサーを使っていたので、stoneを使う時はこの作法に近づけるため、ふたつの白紙を表示した使い方になりました。

さらに、stoneは横書きと縦書きが切り換えられるので、その時のキモチに合わせて変えてみると文章にも変化が出てくると思います。
横書きのstoneはこんな感じ。

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縦書きのstoneはこんな感じです。

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キモチも切り替わって、いい感じです。

Macの縦書きエディタは出来のいい製品が限られていたので、独特の世界観の縦書きエディタが増えるのは選択肢が増えていいことだと思います。

アウトラインプロセッサーでアイデアや言葉を膨らます作業が終わり、文章の骨格も決まると、下書きはオシマイということで、いつもはここで書く道具を変えます。
前々回のブログで紹介した作文のメソッドで言うと清書の段階に相当します。
この最終段階での私の書くという行為での大事なポイントは、ひと味違った文章にすることです。

ひと味違った文章にする段階では
遊び心、個性、ユーモア、ココロの余裕
が欲しいので、エディタもそんなキモチになりやすい設定がしてあります。

それが、これです。↓

じ〜と画面上の文字を見つめてみて下さい。

 

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いつも愛用しているエディタは縦書きもできます。
上の画面を縦書き表示に変更すると、こんな感じになります。↓

 

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わかっていただけたでしょうか?

文字フォントは手描き風の少し丸文字に近いものを設定しています。

stoneではフォントが明朝体とゴシック体だけなのですが、「書く気分を高めるテキストエディタ」stoneでも、ぜひフォントがユーザー側で設定できるように追加開発してほしいなと思います。
書くキモチを高め、中身まで心地よい影響を与えるのにフォントは不可欠だと思います。

書く時はさらに、ココロを刺激する音楽とおいしい珈琲があれば、最強ですね。

書くという行動を、形から支援しようというキモチで作られた日本デザインセンターの「書く気分を高めるテキストエディタ」stone。

広告・デザイン業界がエディタを作るとこんな形の道具ができるのかというのはとても新鮮でした。製品版ができたら、引き続き使っていこうと思います。

「書く気分を高めるエディタ」を道具として使う場合に、利用者側でもうひと工夫するともっとよくなります。

それは、誰に向けて書くのかということを意識することです。

ちなみに、今回のブログは、今、お世話になっている日本デザインセンター・stoneチームのYさんに宛てて書いてみました。

 

道具はその道具が持つよさを利用者が理解し、自分なりの作法を編み出すことが大事だと思います。

道具ができた時、どう使ってもらうのか。

思いがけない使い方をどう引き出すのか。

思いもしなかった使い方をどう発見し、そのアイデアを利用者のココロにどうやって知らせるのか。

そして、おっあの人も使っているエディタかといえるための、あの人を作る。

・・こんなこともstoneには必要かなと思いました。

 

Macをお使いの方で文章を書く道具として、興味を持たれた方は、「書く気分を高めるエディタ」stoneも選択肢に入れてみてはどうかなと思います。