ココニコのキモチ

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いろどり工房ココニコ管理人(ボランティア)のキモチブログです。日常生活と本職(教育分野)の気づきのお話をしています。

武蔵美でのひととき

月の下旬、久しぶりに武蔵野美術大学に行ってきました。

娘が武蔵美を卒業して約一年になりますが、入学と同時に武蔵美から自転車で行ける範囲に引っ越していたので、卒業後も気軽に自転車で行くことがあるのです。

今回行ったのは、卒業制作展の日です。

美大は広々とした独特の空間で、卒業制作展は卒業を目の前にした美大生のキモチにふれることができるので、得られるものがたくさんあります。

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まず、食堂でエネルギー補給。定食を頂きました。

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美大と言えば、昔はハチクロのイメージしか持っていなかったので、さりげないアートの雰囲気が漂い、クリエイティブでちょっと不思議ちゃんのいっぱいいる空間でちょっと近寄りがたいという思い込みがあったものですが、娘のおかげで何度も武蔵美にでかける機会を得てからは、毎回、元気をいただける大事な場所のひとつになっています。大学の敷地内に美術館もあるので、気軽に訪れる人も多くなっています。

 

高校1年になる直前に芸大か美大に行きたいと言われ、???となりつつも、応援してからいろいろありましたが、幸せというのは親が決めるものではなく、本人が決めるべきものだというのが今は実感を込めて語ることができます。

娘から将来の希望を言われた時は不安がよぎりましたが、結果的には今は私にとってもよかったと思っています。教育分野の仕事をしていて、娘が武蔵美を卒業したこともあり、芸術系の大学に行きたいという子供を持った親御さんから相談を受ける機会があります。

大抵は、必死で止める親VS子供という構図が多いようです。

このキモチ、よくわかります。

でも、芸術系の大学を目指す子供が本当に真剣に考え、その上で表現活動をしたいという苦難の伴う道を選ぼうとしているのであれば応援すべきだとアドバイスしています。どこまで本気で考えているか、準備をしているかは確かめることは必要ですが、それを確かめずに反対してはいけません。

芸術系の大学は、「どうやって食べていくのか」という問題がついてまわりますが、中高生で目標として考え始めた子供にそれを言って、反対するのは悲しいことだと思います。

中途半端なままで進路を考えていたら、とことん現実も考えさせた上で結論を出せばいいことです。子供が子供なりに考えた道を否定するところから始めるのは、子供にとって百害あって一理なしです。

但し、芸術の分野では進学先はよく考えないといけません。大学であれば、とことん努力をしてどうにか合格できるという大学を選ぶべきです。美大であれば、専攻する分野にもよりますが、藝大、武蔵美多摩美を筆頭に数は限られていると思います。

芸術分野を志す子供は基本的に言うことを聞きません。時間があれば自分が進みたいと考えている分野の修行なり作品作りを続けます。もう寝なさいと言っても、のっている時はやめないものです。こういうところが資質としても必要です。

今、大学は山ほどあるので、苦労しなくても合格できる芸術系の大学がたくさんあります。そういう大学は卒業制作展に行くとわかりますが、中途半端な力で入れる大学とか、誰でも入れる芸術系の大学がたくさんあります。こういう大学はよろしくないと思います。

 

さて、卒業制作展の話に戻ります。

荒削りなものも多いですが、基本的に全力で制作した作品ばかりなので、見に行く側にもとても刺激になります。楽しい心地よい時間を過ごすことができました。

武蔵美の卒業制作はレベルが一定水準を超えないと教授によって却下され、たとえ前の日であろうとも撤収を命じられます。厳しい世界ですが、悩み、苦しみながら、全力でとことん制作に取り組むという経験はとても貴重です。

芸術系以外の大学だと卒論は書くことが目的になりがちですが、藝大や美大の卒業制作はこの最後の半年ぐらいの時間をかけて、限界に挑戦し、パワーをつけることが収穫となります。作品よりもプロセスが貴重なのです。

芸術の分野は教えることが難しいそうです。

自分でつかみ取ることが大切です。

こういう意味でも卒業制作は貴重な時間の連続です。

 

卒展を見ていて、言葉以外の表現力を持つということはすごいことだと感じました。

言葉によらないコミュニケーションをここまで実践しているなんてすごいと感じた逸材の作品を見ていると、これこそグローバル人材ではないかと思ったりもしました。

娘の武蔵美生活を思い返していても、黙々と作品を作るだけの生活ではなく、考えるための思考力を鍛え、コミュニケーション力を鍛えるといったカリキュラムになっていたなと思います。

常に課題を与えられ、模範解答のない世界で鍛えられます。

普通の大学にはない悩み、成長するための要素がつまっているなとも思います。

言葉だけではなかなか伝わらないことが多いですが、言葉以外の表現力を持った美大生はとてつもなくすごいことです。その活躍の舞台を得られるかどうかが最後の難関ですが、卒業制作展には可能性がいっぱいつまっています。

最後に卒業制作展での様子を紹介してオシマイにします。

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以上、いろどり工房ココニコのホームページ管理人(ボランティア)のお話でした。
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