ココニコのキモチ

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いろどり工房ココニコ管理人(ポランティア)のキモチブログです

たった数行の問題文が読み取れない子供

昼間は小中高校生の塾のようで塾ではない施設を運営しています。
自律的に学ぶことができるようになったら、施設から卒業させるという方針で運営しています。
私はここを秘密基地と呼んでいます。
スタートしてから2年と9ヶ月が経ちました。
研究施設として立ち上げたというのもありますが、学力をあげるためであれば、保護者の方にお約束したこととは全く違うこともしながらやってきています。

はじめて半年ほどたったころから、「たった数行の問題文が読み取れない子供」というのが私の研究テーマのひとつになっています。

百ます計算の生みの親で、「見える学力・見えない学力」と言う概念を提起された岸本裕史という教育のプロの方がいました。亡くなられてから10年が過ぎましたが、岸本先生がよく例としてあげられた問題文があります。
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ABCDの4つの市がある。AはCより大きく、CはBより小さい。BはAより大きく、DはAのつぎに大きい。4つの市を大きい順に書きましょう。
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この問題文を読んでも、答えが出せないという小学校高学年の子供が恐ろしく増えているように思います。
中学生でもできない子供もいます。
これは恐ろしいことだと思わないといけません。

こういう状態なのに、保護者、学校の先生、結構な割合で「文章問題が苦手」という一言で終わらしていて、具体的な対処をされることはありません。

私の秘密基地では生徒一人ひとりをタイプ診断し、それぞれのタイプに沿った対応をしています。
ひとつのタイプの例を紹介するとタイプGの子供には問題文を一緒に読みます。ひとかたまりの文で立ち止まり、何が書いてあったかな?と聞きます。時には図示させたりします。これをすることで、文を読むことと、具体化し頭にイメージさせるということがイコールとなるようになります。
やがて読んだことを、頭にイメージし、さらに頭に入れるという習慣がついていきます。

これをするのはとても面倒です。
秘密基地は研究施設でもあるので、今年の春からは募集を中止し、私がかろうじて全員の子供と向き合える人数でシーリングしているのでできていることです。
もし、「うちの子は文章問題が苦手で」という曖昧な見方をされて過ごしていくと、恐ろしいことになります。
中学生になるとこういう子供は「人の話をしっかりと聞かない」習慣もついてしまっているケースがほとんどです。さらに悪いことに、中3の夏ぐらいになって高校受験が近づいたから、そろそろ受験勉強させようということで保護者の方は子供を塾に入れようとします。
でも、根本的な部分で問題を積み重ねてきた「たった数行の問題文が読み取れない子供」は半年ではどうにもならないことになります。

言葉の織りなす文章を頭の中でイメージ化することができないので、「たった数行の問題文が読み取れない子供」は、実は学校や塾の授業、日常生活で聞いた言葉、読んだ言葉を頭の中でイメージ化できないので、知識を吸収する能力が育っていないのです。
教科書は音読できても、本当の意味での読むことができていないので、生きた知識として吸収できません。
問題集の解説も読めませんので、自学自習ができません。
単にマルバツをつけて、答えを写しておしまいにしているケースがとても多いです。

やがて社会人になっても、口頭で指示されても伝わらない、仕事のマニュアルを読んでも理解できないということにつながります。
人が話す言葉、文字で書かれた文章の言葉を視覚イメージに変換し、理解し、頭に入れるというごく普通のこことができないままになります。
後から考えると、これは経験を積むということが不足していただけなのですが、とても不幸なことです。
かわいそうです。
本人に罪はありません。

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私の仕事のテーマのひとつがEdTechという分野なのです。わかりやすく言うとデジタル×教育がEdTechですが、デジタルの進歩、生活習慣や家族のあり方の変化が「たった数行の問題文が読み取れない子供」の増加をもたらしているひとつの原因になっています。
やっかいな時代です。

小中学生を持たれている方も結構このブログを読まれている様子なので、今回はいつもと違ったテーマで書いてみました。
この続きはまたいずれ。

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以上、いろどり工房ココニコのホームページ管理人(ボランティア)のお話でした。
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