センター試験まであと1ヶ月を切っています。
センター試験が実施されるのは、あと3回だけです。
2020年度からは「大学入学共通テスト」(2021年1月実施)に変わります。
今の中3生が最初に受けることになりますが、先日、中3の保護者の方からいろいろ聞かれたので、その時に伝えたことも含めて記録として残しておきます。
今の中3生が高3の時に立ち向かう「大学入学共通テスト」は、「思考力・判断力・表現力」を重視した問題が中心となり、マークシートの選択式問題だけでなく国語と数学では記述式問題も導入されます。
今までもセンター試験の後の大学毎の試験で記述式はありましたし、正直なところ騒ぎすぎです。いわゆる難関大学の受験には影響はないと思います。
情報を集め、分析し、正しく対処していけばいいだけなのです。
キモチで負けていたら、負けになります。
先日、プレテストがおこなわれ、問題が公表されました。
さっそく情報を集めました。
今回は国語だけを取り上げてみます。
国語は印象も含め、誤解を恐れずに言うと、無駄に長い文章が多いと感じました。
国語の第一問だけ見ても、かなりの長文でしたが、どんな問題なのかご紹介します。
高校の生徒会部活動規約とそれに対する生徒会部活動委員の5名の会話文があります。
これに資料が3つついています。
資料1 アンケート(部活動に関する生徒会への主な要望)
資料2 市内5校の部活動の終了時間
資料3 高校新聞の部活動に関する記事
これに問題が続くのですが、最後の問題だけみてみましょう。
問
空欄について、ここで森さんは何と述べたと考えられるか。次の(1)~(4)を満たすように書け。
(1) 二文構成で、八十字以上、百二十字以内で書くこと(句読点を含む)。なお、会話体にしなくてよい。
(2) 一文目は「確かに」という書き出しで、具体的な根拠を二点挙げて、部活動の終了時間の延長を提案することに対する基本的な立場を示すこと。
(3) 二文目は「しかし」という書き出しで、部活動の終了時間を延長するという提案がどのように判断される可能性があるか、具体的な根拠と併せて示すこと。
(4) (2)・(3)について、それぞれの根拠はすべて【資料1】~【資料3】によること
記述式の問題ですが、すごい!問題文というのが第一印象でした。
120字の記述ですが、書くための条件ががんじがらめになっています。
これだけ条件が決まっていると逆に思考力だとか表現力の余地はなくなり、論理的に文章を読み取り、条件に従って必要な部分を抜き出して、字数制限の中でまとめるという力を試す問題になっているのです。
ちゃんと問題文を一字一句読み取れますか?、というようなものなので、記述式とはいうものの、冷静に問題文と向き合う能力があるかをみていると言ってもよいと思います。
我慢強さも必要です。
記述式とは言うものの、辛抱強く条件通りに書くテクニックが必要な問題としか言いようがありません。
逆に言うと、訓練していれば、楽勝の問題です。
記述式だ、難しくなったと騒がれると思いますが、その騒ぎに巻き込まれて、思いこんでしまうと負けです。
今後のプレテストでどう問題傾向が変化するかもみていかないと何とも言えませんが、今回のプレテストを見る限り、作戦の立て方次第です。
むしろ戦わずに、あきらめてしまうという高校生が生まれやすくなるのではないかということのほうを危惧します。
もうひとつ気になったのは、「大学入学共通テスト」が終わった日からの対策です。
センター試験では教育関連企業が実施している自己採点の集計サービスが出願先を検討するための大事な役割をになっています。この結果も見ながら、ニ次試験の本当の勝負の相手を決めます。
やっかいなのはこの部分だと思います。
記述式を自己採点するのは、至難の業です。自分に甘く自己採点してしまうでしょう。
やっかいです。
やっかいですが、教育を仕事にしている大人の生きる力も試されているので、受験産業の勢力図をがらっと変える可能性を秘めています。
但し、強いところはますます強くなるという力が働くのが2020年です。
何でもチャンスにするというキモチが受験生にも、かかわる大人全てにも求められています。