ゴールデンウィークのひとり旅のお話の続きです。
西脇市はかつて播州織(ばんしゅうおり)が有名だった繊維産業の街でした。
江戸時代、11代将軍徳川家斉の時代の寛政4(1792)年に宮大工飛田安兵衛が京都西陣から織物の技術を持ち帰ったのが起源と伝えられています。西脇市周辺は温暖な気候を生かした綿花栽培が行われていたことや、加古川、杉原川などもあり、水資源が豊富なことから染色にも適していたことで次第に織物が盛んになり、明治時代後期に「播州織」と呼ばれるようになりました。
「播州織」は、糸を先に染め、染めあがった糸で織る手法の織物で、手触りがよく、色使いも鮮やかなのが特徴です。
昭和30年代になると全国各地から多くの女子労働者が集団就職で西脇市にやってきました。多くは中学を卒業したばかりの女子で、数万人が織物工場で働いていたそうです。
・・・ということを無人の日本へそ公園駅で30分の電車待ちの間にベンチに座っていたおじいさんに教わりました。ちゃんと後でファクトチェックはして、書いています。話を聞いていて興味を持ってしまったのですが、後で無意識に市役所に電話をして事実確認をしているところは、長年の職業柄のなせるワザでしょうか。
そして、ファクトチェックの中で教わったのが播州ラーメン(ばんしゅうラーメン)です。
兵庫県西脇市の名物の醤油ラーメンです。
醤油味ですが、甘さが強いのが特徴です。
元祖は西脇大橋ラーメンというお店で、集団就職で働く女子の口に合わせて工夫を続けながら、たどり着いたのが甘口のスープだそうです。
ということで、寄ってきました。
播州ラーメンの元祖、西脇大橋ラーメンです。
夜8時ぐらいに行ったのですが、車が次々と止まり、お客さんでいっぱいでした。
注文したのは並サイズの特製ラーメン680円です。
見た目は普通のラーメンですが、食べてみると本当に甘い。
思っていた以上に甘いです。
甘いという言葉の表現だと、チョコレートの甘さを想像されるかもしれませんが、美味しい甘さです。
甘さにはこういう甘さもあるのか、というのが実感です。
おいしいです。
はじめて経験する甘さ、おいしさです。
醤油に甘さを加えるとこうなるのかというのはびっくりでした。
ていねいな仕事のラーメンでした。
西脇大橋ラーメンで頂いたチラシの表面がこれ
裏面には方言の解説がありました。
こういうチラシはうれしいですね。全面をご紹介するのは問題あると思いますので、裏面の一部をご紹介します。
自分で調べてみてくださいね。
来てよかったです。
ごちそうさまでした。
ちょっと残念だったのは、芸術家・横尾忠則さんの母校で伝統ある建築物として有名な西脇小学校のすぐそばに西脇大橋ラーメンがあったにもかかわらず夜だったため、ぼんやりとしか西脇小学校の建物が見えなかったことです。神秘的な小学校でした。